中国新聞


あしなが募金 新たな懸念
授業料無償化で関心薄れる恐れ
広島・呉・福山で街頭活動開始


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あしなが学生募金を呼び掛ける堀川さん(右から2人目)たち

 病気や自殺、災害で親を失った遺児を支える「あしなが学生募金」活動をする学生たちが、4月から始まった高校授業料の無償化で、募金が集まらなくなることに懸念を強めている。24日から広島市などで始まった全国一斉活動で「生活の苦しさは変わらない。私たちを忘れないで」と訴えた。

 県内では広島、呉、福山の3市の街頭に、大学生と高校生の計約90人が立った。広島市中区のそごう広島店前では、遺児やボランティア約60人が「無償化されても遺児は貧困のまま」と書いた横断幕などを掲げ、募金を呼び掛けた。

 奨学金を支給する「あしなが育英会」(東京)が2月、支給を受ける高校生に実施した全国調査(回答2163人)によると、授業料の減免措置を受けていた生徒は58・6%。うち全額免除は38・4%を占めた。

 育英会によると、実際には通学費や学用品代などで授業料以外に公立で年間約40万円、私立で約80万円の教育費が必要という。経済的に苦しい家庭ほど、無償化のメリットが少ないのが実情だ。

 学生募金県代表を務める広島国際大薬学部2年堀川謙太さん(20)=呉市=は「授業料が要らなくなり、経済的な負担が減ったと思われている。不況も重なり、募金が大幅に減るかもしれない」と心配する。街頭募金は25日と5月1、2日にも3市の街頭である。学生募金事務局=電話03(3221)7788。(藤村潤平)

(2010.4.25)


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