中国新聞


発達障害の診療支援
広島県がマニュアル作成
症状や家族への対応解説


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県が作成した発達障害の医療支援マニュアル

 広島県は、自閉症などの発達障害がある子どもたちの診療を新たに始めようとする医師や病院向けの医療支援マニュアルを作った。診断、診療、家族への対応方法を具体例を挙げてまとめた。1500部を医療機関や各地の医師会などに配布する。

 A4判の227ページ。県立障害者療育支援センター(東広島市)のスタッフや学識経験者、保護者団体代表たちが作成に携わった。

 自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥性・多動性障害(ADHD)など発達障害の症状とともに、診断のための面接や保護者への問診方法を解説。乳幼児期、学童期、思春期、成人期ごとの事例も添えた。家族への対応のポイントに「分かりやすい言葉で伝える」「母親だけでなく父親にも説明する」などを挙げた。

 県内では、発達障害の子どもを専門的に診断、診療する県立障害者療育支援センターなどに受診者が集中し、初診が半年待ちになることもある。保護者たちの意識の高まりが背景にあるとみられる。

 県障害者支援課は、マニュアル作成や専門医養成の研修会を開催することで診療医療機関を増やし、初診までの待機時間の短縮につなげる考え。同時に、現在診療できる67の医療機関の情報提供も積極的に進める。(永山啓一)

(2010.5.7)


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