中国新聞


児童が一句 感性きらり
広島南区の大州小
校内に俳句投稿箱 学校通信でも紹介


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「どれが好き?」。俳句コーナーに集まり、作品を読み比べる児童

 広島市南区の大州小は、児童の感性や表現力を磨くため、俳句を取り入れている。投稿箱を置いて年間通じて作品を募り、優秀な句を発表する。句集も発行して、創作意欲を引き出している。

 「俳句コーナー」を職員室前に設けている。休憩時間には児童が訪れ、投稿箱と応募用紙の前で、指を折りながら句をひねる。

 壁面には、過去2週間に寄せられた約300句のうち30句が飾られていた。国利啓二校長が優秀な作品を選び、毛筆で清書する。

 俳句は昨年度、長谷哲郎前校長が導入した。学校朝会で「季語を入れる」「五・七・五で詠む」などの基本的なルールを説明。優秀な句を張り出し、学校便りにも載せるようにしたところ、児童が積極的に投稿するようになった。

 3年山根遥さん(8)は投稿の常連。50句を投じた月もある。「句は思い付くたび、自由帳に書き留める。どうしたらきれいに聞こえるか、考えるのが楽しい」と声を弾ませる。

 今春、初の句集も完成した。全児童約270人の作品を、1人1句ずつ収録。「すいせんは きいろばっかり イナズマだ」(1年)「こおろぎや すず虫鳴いて 秋ひらく」(2年)「母の日や 母はいつもの エプロンで」(5年)など、味わい深い作品が並んだ。

 国利校長は「見たことだけでなく、音や香り、感情などを詠み込んだ句が増えた」と喜ぶ。「俳句を通じ、言葉を大事にする力も育つ。今後も取り組みを続けたい」と話している。(田中美千子)

(2010.6.21)


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