中国新聞


発達障害児 ソフト学習
広島市試験導入へ NPOと協定


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協定書を交わす正高理事長(左)と浜本教育長

 広島市教委は9月、発達障害で読み書きが苦手な子どもの学習向けに専用のパソコン支援ソフトを試験導入する。7日、ソフトを開発した愛知県のNPO法人「発達障害療育センター」(理事長・正高信男京都大霊長類研究所教授)と連携の協定を締結した。

 特別支援学級などに通う8小学校の1〜3年生16人の授業で活用する。市役所でNPOの正高理事長と、浜本康男教育長が協定書にサインした。期間は2012年度まで。本年度の試行結果を踏まえ、対象校を拡大する予定にしている。

 導入するのは「ことばのがくしゅう」の名称で、NPOが独自開発した平仮名と片仮名の学習ソフト。児童が映像や音声で単語を認識し、文字に置き換える訓練を続ける。集中力を高めることで、読み書きの力を養う。

 例えば、パソコンの画面にブドウの映像が流れ、それを見た児童がキーボードやペン型端末で言葉を入力する。ソフトは、障害の程度や学習の進み具合に応じ、細かく内容を変えられる。制限時間を設けたり、得点表示をしたりしてゲーム感覚で使用できる。児童は15分程度の学習を週1、2回続ける。

 正高理事長は「自治体とNPOが全面協力し、発達障害児の学習支援をするのは先進的な取り組み」と意義を説明。浜本教育長は「特別支援教育の一層の充実を図りたい」と話していた。(桑田勇樹)

(2010.7.8)


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