中国新聞


高卒就職率12.9%に減
広島県内、過去2番目の低さ
専門学校進学率7年ぶりに上昇 厳しい雇用反映


photo

 広島県内の高校を3月に卒業した人のうち、就職した人の割合は前年比1.9ポイント減の12.9%で、過去2番目に低かったことが5日、文部科学省の学校基本調査(速報)で分かった。一方で専門学校への進学率は7年ぶりに上昇に転じた。厳しい雇用情勢が、高校生の進路に影響を与えていることを裏付けた。

 卒業者総数2万4685人のうち、就職したのは3173人。就職した人の割合は調査を始めた1950年以降、最も低かった2003年(12・6%)に次ぐ低さだった。

 専門学校(予備校含む)への進学率は2・0ポイント増の22・1%で、7年ぶりに上昇した。また、アルバイトなど一時的な仕事に就いた人の割合は0・4ポイント増の1・3%で、調査項目を設けた04年以降で最も高かった。

 県教委指導2課は「雇用環境の悪化で、就職を希望しているのに専門学校への進学やアルバイトに切り替えている生徒が増えた」と分析している。

 大学、短大への進学率も、0・2ポイント増の60・0%で過去最高を更新した。大学進学者(短大除く)のうち、県内の大学に入学した割合は1・9ポイント増の56・0%。記録がある過去5年間で最も高く、不況により地元志向が強まっていることがうかがえる。

 このほか、特別支援学校高等部を卒業した人の就職率は24・2%と過去最高を更新し、初めて全国平均(23・6%)を上回った。(永山啓一)

(2010.8.6)


子育てのページTOPへ