中国新聞


知事育休 広島県民の反響125件
批判「中小企業では無理」 支持「取得への一歩支援」


 湯崎英彦知事が19日に表明した「育児休暇」の取得について、広島県に賛否の意見が相次いで寄せられている。22日までに計125件。県政トップの育休取得を批判する内容が多い一方で、「取得を考えている男性へのエールになる」と支持する声も届いている。

 県広報課、秘書課、こども家庭課に寄せられた意見は、メール86件▽電話37件▽ファクス2件―の計125件。本年度、県に寄せられたさまざまな意見の合計は多い月で90件台だった。4日間の件数としては突出しており、反響は大きい。

 県は広報課に寄せられた89件について賛否を集計し、8割強が批判的な内容だったという。「中小企業では取りたくても取れない」「危機管理上、問題だ」「環境や法の整備が必要」などが目立つ。知事は特別職で育休を取得しても給料に影響しないことも批判につながっている。

 一方、知事の決断を支持する意見としては「誰かがやらないと育休を取りにくい現状は変わらない」「取得への一歩を踏み出せない男性へのエールになる」などが挙げられる。「休暇中の経験を県政に生かして」との要望もあった。

 県は本年度、男性従業員が育休を取得した中小企業に、最大30万円の奨励金を支給する制度を創設するなど子育て支援に力を入れている。こども家庭課は「県が進める多様な支援策の一端を担うのが、知事の育休取得。県民の皆さんにはぜひ理解してもらいたい」と説明している。(加納亜弥)


地方自治体の首長の育休取得 4月に東京都文京区長が育休を取得し、全国初と話題になった。その後、長野県佐久市長や三重県伊勢市長も取得。10月末に第3子誕生を予定する広島県の湯崎英彦知事は1カ月程度、開庁時間帯のうち数時間の休みを取る方針。広がりを見せる首長の育休取得に、大阪府の橋下徹知事が「世間を知らなすぎる」と苦言を呈し、湯崎知事は「見解の相違だ」と反論した。

(2010.10.23)

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