中国新聞


家庭に戻れぬ子受け入れ
西区に自立援助ホーム
1月開設 広島県内で初


 児童養護施設などを出た後も、家庭に戻れない子どもを受け入れる「自立援助ホーム」が来年1月、広島県内で初めて広島市西区に開設される。運営団体を支援するため、市は、7日開会の市議会定例会に提案する補正予算案に運営補助金185万円を盛り込んだ。

 自立援助ホームは、児童福祉法に基づき自治体が事業委託し、社会福祉法人やNPO法人が設置・運営の主体となる。虐待や経済事情などで家庭に戻れない中学卒業後から20歳未満の子どもが対象。入居者は指導員と暮らしながら生活指導や就労支援を受け、自立を目指す。

 新設する施設は西区のNPO法人イーハートが運営する。現在は不登校などの若者の共同生活施設として使っている2階建て家屋を転用する。定員6人で女子専用。女性指導員2人が住み込む。入居者は、働くなどして月3万円(食事代など)を負担する必要がある。

 中国地方5県では、広島だけ自立援助ホームが未設置。市は5月から、NPO法人や弁護士たちとホームの開設に向けて協議を進めてきた。イーハートの清水理恵代表理事は「居場所を失った子どもたちが自立していくための支えになりたい」と話している。(教蓮孝匡)

(2010.12.1)

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