中国新聞


木造園舎まだまだ現役
福山の鞆幼稚園 耐震補強工事


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耐震工事が終わった鞆幼稚園の遊戯室。蔵の外観を保った

 福山市鞆町の学校法人鞆幼稚園が、明治−昭和期に建てた木造園舎の耐震補強工事を進めている。建築時の建材をほぼ再利用し、外観も維持する。文部科学省は「木造園舎の活用は全国的に珍しく、環境面からも好ましい」としている。

 ▽明治−昭和期の建材ほぼ再利用

 同法人によると、約2千平方メートルの敷地内にある3棟を昨年9月から改修している。遊戯室として使っている1892年建築の白壁の蔵は、敷地外から見えにくい東側面をコンクリート基礎で固定した。松、杉を使った柱や梁(はり)、壁もワイヤなどで補強。震度6弱の地震にも耐えるという。

 現在は1928年建築の職員室棟、63年建築の保育室の改修工事をしている。いずれも建築時の建材を約9割再利用する。調理室の新築と合わせ総工費は約1億円。うち約7千万円を市が負担する。

 少子化に伴い鞆幼稚園の園児数は約50年間で約300人から20人に減った。町内の鞆、鞆平の市立2保育所も園児が減っているため、市は4月から、2保育所を同法人に移管して、3施設を統合。幼稚園と保育所の機能を併せ持つこども園に再編する。林甫夫(もとお)理事長代理(64)は「木造建築の和らいだ雰囲気の中で、子どもの感性を育みたい」と話している。(門脇正樹)

(2011.2.3)


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