中国新聞


農業担い手育成へ本腰
北広島町 新年度 総合的にサポート
大学校の授業料など負担/研修受け入れ先に補助金


 広島県北広島町は2011年度から、農家の高齢化や担い手不足に対応するため、町内で農業を志す若者たちの支援に乗り出す。県農業技術大学校(庄原市)で学ぶ費用を負担するほか、新規就農希望者を受け入れる農業生産法人や農家に補助金を出すなど、就農までを総合的にサポートする。

 同大学校での修学支援で町は、町をエリアに持つJA広島北部(安芸高田市)と連携。町在住の高校卒業予定者やUIターン者などを対象に、授業料と寮費の全額約40万円(2年間分)を、町内での就農を条件に奨学金として支給する。費用は町とJAが折半する。11年度は2人を予定している。

 卒業後はJAが3年間、嘱託職員として採用。技術指導を通じて独り立ちを支える。

 また、新規就農希望者を受け入れる町内の農業生産法人や大型農家に、1人当たり月額15万円を2年間助成する。農業に関心がある人が法人などで実地体験できる2週間のインターンシップ制度も設ける。

 町内の農地面積は約3400ヘクタール。生産法人と農地4ヘクタール以上を作付けする大型農家の農地集積率は34%と県内トップレベルを誇る。一方、農家の平均年齢は70・6歳と高齢化が進行。耕作放棄地も約100ヘクタールに上り、後継者対策が課題となっている。

 町産業課は「農業振興、農地維持には担い手の確保が不可欠。将来を見据え、研修から就農まで支援の網を広げる」としている。(胡子洋)

(2011.3.19)


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