中国新聞


通信制高校 存在感増す
中国地方 集団学習になじめず?
中学新卒 5年で1.5倍


   

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 中学校卒業後すぐに通信制高校に進学する生徒が、広島県や岡山県を中心に中国地方で増加している。昨年春の5県の進学者は計1039人でこの5年間で1・51倍。集団学習になじめない生徒を中心に、新たな学習の場としての受け皿になっているとみられる。

 文部科学省の学校基本調査によると、昨年3月末現在、通信制高校へ進学した中学新卒者は、広島が526人で2006年春に比べ1・83倍。岡山は286人で1・53倍、山口は118人で1・46倍だった。鳥取県は64人で同数。唯一、マイナスとなった島根県は45人で25人減った。

 広島県内では今春、新たに広島工大高通信制課程(広島市安佐南区)と、通信制独立校の並木学院福山高(福山市)の2校が設置されるなど、通信制課程のある高校が過去最多の8校に増えた。

 通信制高校は全日制と異なり、毎日登校しなくてもリポート提出や面接指導を受け、試験を経て必要単位を取得すれば卒業できる。インターネット中継での講義など自由度の高い教育内容を提供する学校が増えている。

 広島県学事課は「生徒の多様なニーズに応じた教育課程を提供している。集団学習が苦手な生徒を中心に人気が高まっているのではないか」とみている。(永山啓一)

(2011.4.24)

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