中国新聞


商船学科の志願者増 中国地方高専
船員不足 高い就職率
20年で最多


   

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 航海士などを養成する中国地方の商船高等専門学校2校の商船学科の入学志願者数が増加傾向をみせている。2011年度は広島商船高専(広島県大崎上島町)89人、大島商船高専(山口県周防大島町)104人といずれも定員の2倍強となり過去約20年間で最多。船員不足や高い就職内定率が背景にある。

 国立の高専51校のうち商船学科があるのは5校。中国地方の2校も志願者は広域から集まる。広島商船高専は11年度の同学科(定員40人)の志願者が10年度比5人増。09年度と比べても41人多く、少なくとも1990年度以降で最多となった。

 同高専の村上定瞭(さだあき)校長は「アジアの経済成長や団塊世代の大量退職による、海運業界の担い手不足などが影響している」と説明する。

 10年度の卒業生28人のうち進学などを除く就職希望の17人全員が内定を得た。就職内定率100%は09年度に続き、即戦力としての高い評価を今後も維持したいとしている。

 大島商船高専も11年度の同学科(定員40人)の志願者は10年度比28人増えた。現在の商船学科となった88年度以降、最多。41人に落ち込んだ08年度以降は3年連続で増えた。船員不足などを背景に、九州地方の中学校などへのPRを強めた効果とみている。(門戸隆彦)

(2011.5.17)


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