中国新聞


学校と地域連携 少年犯罪防げ
福山 松永地区で協議会


   

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松永地区の児童生徒と住民の交流について話し合った協議会の初会合(4月26日)

 ▽清掃や花栽培、交流行事企画 社会参加意欲を育む

 福山市松永地区の松永中、松永小、柳津小と住民が、児童生徒の地域活動を進める協議会をつくった。傷害や暴行などの刑法に触れる容疑で逮捕される市立の中学生が増える中、住民との交流で自尊心や社会参加の意欲を育み、未然防止を図る。

 協議会の委員は、各校の校長、PTA会長、自治会長、公民館長、青少年補導員協議会長たち14人。松永公民館の東城宏明館長が代表を務め、事務局は松永中に置く。

 4月26日に松永公民館であった初会合では体験活動として、7月〜来年2月に住民と合同で計4回、通学路を清掃する▽春秋冬に花を育てて公民館やJR松永駅前などに飾る―の2点を主な取り組みに決めた。今後は、地域のスポーツ大会や文化祭などの学校行事を通じて、住民と子どもがふれあう場を増やすアイデアを練る。

 市教委によると、2010年度の市立中学生の逮捕者は43人。過去10年で最多だった01年度の33人を10人上回った。広島県教委指導3課は「感情制御の力や規範意識が欠ける生徒が増え、学校内の指導だけでは限界がある」とする。県教委は4月、学校と地域が連携し、少年犯罪の抑止を図るモデル地区を県内15中学校区に設け、市内では松永、城南、誠之の3中学校区を選んだ。

 選定に合わせ、松永中は4月、全保護者にあいさつや服装の指導の徹底を呼び掛ける文書も配った。東城館長は「公民館のチラシなどで交流活動を広く伝え、地域全体で子どもを見守る機運を高めたい」と話している。(水川恭輔)

(2011.5.18)


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