中国新聞


子ども電話相談 被災地から次々
広島のNPO法人
受け手不足 養成急ぐ


   

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子どもの悩みを聞くボランティア。震災に関する相談も寄せられている(広島市内)

 東日本大震災後、子どもの悩みを電話で聞くNPO法人ひろしまチャイルドライン子どもステーション(広島市中区)への相談が増えている。震災を受け、電話の受け付けエリアを通常の中四国から全国に拡大。被災地からも悩みが寄せられているためだ。

 同チャイルドラインは被災地のチャイルドラインが活動できなくなったのを受け、3月14日にエリアを拡大。受信数は震災前の2月は401件だったが、3月は648件、4月は827件に増加。「地震で友達が亡くなった」「余震が来ると吐き気がする」「避難所暮らし。体育館で寝るのはつらい」などの電話が寄せられている。

 広島県内の受け手の女性(52)は震災6日後、避難所と自宅を行き来する仙台市の少女から、親子間のトラブルについての相談を受けた。余震が続き、救急車の音が響いて落ち着かない様子が電話口からも伝わった。「誰もが大変な被災地では周囲に不安を話しづらい。『頑張って』とも言えず、無事でいてほしいという気持ちで聞いた」と振り返る。

 上野和子理事長(60)は「家族を失うなどした子どもたちは将来に大きな不安を抱えていて長期的なケアが必要。被災地のみならず全国の子どもの不安を受け止めたい」と話す。

 ただ、受け手が不足しており「広島からできる被災者支援に参加してほしい」と呼び掛ける。同チャイルドラインは6月19日から9月下旬の計14回、受け手養成講座を広島市中区のアムウェイプラザ広島などで開く。15歳以上が対象で先着30人。受講料1万2千円(18歳まで3千円)。Tel090(7998)6113。相談電話は0120(997777)=月―土曜日午後4〜9時。(余村泰樹)

(2011.5.30)


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