中国新聞


子ども虐待の対応迅速化
相談件数増の尾道市
データベースや専用車


   

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 尾道市は子どもへの虐待防止に向けた対応を強化する。相談された内容のデータベース化と担当職員が使う専用車の導入が柱。虐待の相談件数が増えており、相談や連絡に対してよりスピーディーに動くのが狙いだ。

 相談の内容や調査書は文書で管理しているが、再び相談を受けた際などで検索に時間がかかるのが実情。このため瞬時に引き出せるようシステムをつくることになった。

 さらに、過去のケースを参照でき、効果的な対策にも役立つという。10月からの運用を目指す。

 専用車は軽乗用車2台を新たに購入し、本庁と因島総合支所に配備する。虐待の連絡を受けた職員が、当事者への確認や周辺の住民からの聞き取りなどで活用する。

 現在は他の部署と併用し、手続きが必要。専用車になればいつでも使え、実態の調査や見回り、夜間・休日の家庭訪問も気兼ねなく利用できる。

 システムの開発費と車両購入費の予算は計510万円。17日に開会予定の市議会定例会に議案を提案する。

 市によると、虐待の相談件数は2008年度に36件と減ったものの、09年度は55件、10年度は過去最多の81件で増える傾向。市子育て支援課の有光貢課長は「緊急時の素早い対応、よりよい支援で虐待防止につなげたい」と強調している。(渡辺裕明)

(2011.6.12)


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