中国新聞


隣接の小中 教室を共有
安芸区の阿戸小・中
プレハブ仮設解消へ


   

photo
阿戸小で15年以上使われているプレハブの仮設教室

 広島市教委は8月、安芸区の阿戸小と阿戸中の改修工事に着手する。小中連携教育を進める両校は校庭を共有し校舎が隣り合う。その特徴と立地を生かして音楽室や図書室を共有化し、増築を伴わず教室スペースを確保。10年以上使用するプレハブの仮設教室を解消する。

 ▽改修工事8月着手 増築せず一体活用

 市教委によると、阿戸小の5月1日現在の児童数は115人、阿戸中の生徒数は76人。両校とも1学年1学級の小規模校だ。

 改修工事では両校の校舎の間取りを大幅に変える。今の阿戸小校舎に小中の教室、特別支援学級を集約。阿戸中校舎に音楽室や図書室、コンピューター室などを集める。耐震補強工事も併せて行う。

 工事は授業に支障が出ないよう、来年12月まで数段階に分け進められる。総事業費は4億1千万円。プレハブは完成後に取り壊す。

 阿戸小は1970年、阿戸中は75年に現在の校舎が建てられた。そのころから両校のある阿戸町は宅地造成が進み児童数が増加。教室が不足し、阿戸小は93〜96年にプレハブ4室、阿戸中は98年に2室を設けた。

 同町は90年代後半から児童、生徒数が減少傾向となり、現在はピークの約半分に。だがコンピューター室や特別支援学級などを設ける必要があったため、今も仮設教室を使う状況が続く。最も長く使う仮設教室は18年になる。保護者からは仮設解消を求める声が出ていた。

 市教委は市の厳しい財政状況から校舎の早期建て替えは困難と判断。2009年度に指定した小・中連携教育推進校の特徴を生かす改修を選択した。市教委施設課の前川清司課長は「仮設教室を解消し、子どもが安心して学べるようにしたい」と話している。(鈴中直美)

(2011.6.14)


子育てのページTOPへ