中国新聞


真面目 でも受け身
中国地方29私大 本紙 学生像調査
ゆとり教育の影響?


 真面目だが、受け身の傾向が強い―。中国地方の私立大全38校に中国新聞社が実施したアンケートで、大学側からみた昨今の学生像が浮かんだ。競争を経験する場面が減り、ゆとり教育なども影響していると指摘する。

 アンケートは6月中旬に実施。就職支援に関する設問で最近の学生を見て気付いた点を自由記述で尋ね、29校から回答があった。

 回答者は学事担当者や進路指導に当たる教員。過半数の大学が、内向きな学生が増えてきたとみる。広島県のある大学は「真面目な半面、積極的に行動するのが苦手」と答えた。岡山県の大学は「素直に話を聞くが、覇気がない」とした。

 メンタル面が気掛かりとする記述も多い。「挫折と失敗の経験が乏しく、就職活動に挫折する学生が目立つ」「打たれ弱さが気になる。ゆとり教育の影響か」などと、競い合う場面で適応力が低いとの見方を示す。心の問題への対応を挙げた大学もある。

 就職活動では、「働く意欲が低く、波に乗っていけない」などとする一方、「物質的・上昇志向は低いが、高い目標に向けた職業意識を持ちたいとの強い欲求も見受けられる」との評価もあった。

 大学生活を通じた学生の変化を前向きにとらえる回答も。広島県内の女子大は「ボランティア活動などを通じ、リーダーシップや思いやりが育った」。同県内の看護系大学は「学習を通じて、主体的に行動する力がついてきた」と成長ぶりを受け止めている。(門戸隆彦、赤江裕紀)

(2011.6.29)


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