中国新聞


広島県東部の大学で学生獲得競争
福山市立大開学で激化


   

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オープンキャンパスの成功に向けて意見を出し合う中根さん(右端)たち

 福山市立大(港町)の開学に伴い、広島県東部の大学間で学生獲得競争が激化している。夏休み中のオープンキャンパス充実やPRのために訪ねる高校のエリア拡大など、魅力発信に知恵を絞る。

 ▽見学会充実やPRエリア拡大

 福山市立大は23、24の両日、開学後初のオープンキャンパスを開く。教育、都市経営の2学部の教員が模擬授業に臨み、1期生の有志40人は受験体験や学生生活を紹介する相談ブースを設ける。サークル活動を映像で紹介するコーナーも作る。

 教育学部の中根拓真さん(20)は「昨夏は大学が建設中で、入学後のイメージを描けなかった。当時欲しかった情報を、後輩の受験生に伝えたい」と話す。

 市立大の昨年度一般入試では、2学部の定員225人に対し12・1倍の志願倍率となった。県東部の四年制5校では、県立広島大(三原市学園町)を除く4校で経済系の学部が競合する。福山大(福山市東村町)経済学部の今春の志願者数は、前年度と比べて13・5%減った。

 福山大は、オープンキャンパス(24日、8月20日)の日程をことし初めて午前、午後の2本立てに拡充した。受験生の見学機会を増やし、県東部最多の5学部14学科からなる「総合大学」の魅力をアピールする。寺尾信吾入試広報室長は「市立大の存在は刺激になる。独自の特色を丁寧に発信する」と話す。

 尾道大(尾道市久山田町)経済情報学部でも、福山市からの志願者が減った。同大事務局は中四国、関西地方が中心だった高校訪問の範囲を九州地方に広げ、巻き返しを図る。経営学部のある福山平成大(福山市御幸町)は、推薦入試やセンター試験の入試利用などで広く学生を募る。(門脇正樹)

(2011.7.22)


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