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児童虐待、早期発見へ 東広島市
4〜6月で45人 最多の10年度と同水準


   

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 東広島市が把握した保護者による子どもの虐待被害は、4〜6月で45人に達し、過去最多だった昨年度とほぼ同じペースで推移している。市は教育機関や警察などと連携を強めて子どもを見守り、虐待の早期発見につなげる。

 ▽関係機関と連携を強化

 市によると、4〜6月の虐待被害は45人で昨年同期の47人とほぼ同水準。昨年度は1年間で176人に達し、過去最多だった。

 今年の45人の内訳は育児放棄が23人で半数余りを占めた。身体的虐待は20人、心理的虐待は2人だった。年齢別では、3歳以上の未就学児の17人が最も多く、小学生が13人、3歳未満が6人、中学生が5人、高校生・その他が4人で続く。

 市こども家庭課は「大阪市や福山市で幼児が亡くなった事件が報じられ、市民の関心が高まり相談が増えた」とみる。子育ての悩みを抱えて虐待に及ぶ母親が目立つという。

 市は相談や通告があれば、学校や保育所、市教委など関係機関と会議を随時開いて情報を共有する。被害が深刻化しないよう、教育現場で子どもの異変の察知に努め、家庭訪問も進めている。

 教育や警察、医療関係機関でつくる市要保護児童対策地域協議会は7月下旬に会合を開き、委員から「警察と早い段階で情報共有を」「市民サポーターを募るなどして子どもを見守る輪を広げよう」などの意見が出た。

 市こども家庭課は「多くの機関と連携を深め、民生児童委員とも協力しながら虐待を早期に発見し、地域ぐるみで対応していきたい」としている。(境信重)

(2011.8.2)


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