中国新聞


飯南高存続へ 中高生対象の公営塾
町教委開設 学習支援で生徒増図る


   

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 島根県飯南町教委は6日、町内の中高生を対象にした公営塾「学習支援館」を開設する。学習塾など民間教育サービスが整っていない地域の実情に考慮。学力向上をサポートする環境整備とともに、地元の飯南高の生徒数確保につなげる。

 公営塾は、町来島基幹集落センター(同町野萱)に開設し、図書室と学習室を活用する。山口県内にある学習塾の講師2人に業務を委託。週3回、町内の中高生を対象に英語と数学を指導するほか、夏・冬休みには特別講習も計画している。

 受講料は、中学生が無料、高校生は月額5千円(教材費を除く)。希望する生徒は、大手予備校の人気講師による講義もインターネットで受けられる。本年度の総事業費は約1千万円を見込む。

 町教委によると、今春の飯南高の入学者は計52人で、入学定員の2学級80人を下回る。町内の赤来、頓原の2中学校からは35人が同校へ進学し、8人が町外の高校へ進んだ。同校の定員割れは約30年間続いており、県教委は、入学者が2年連続で41人以下になれば統廃合を検討する方針を示している。

 県内では、海士町が昨年7月、地元の隠岐島前高の生徒数を確保するため、公営塾を開設したのに続き2カ所目となる。同校では今春、定員40人を上回る44人が志願し、40人が入学した。

 飯南町教委の安部亘教育長は「飯南高の存続には都市部に負けない教育環境の整備が必要。海士町のように町内外から入学者を確保したい」としている。(川上裕)

(2011.10.6)


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