中国新聞


学校裏サイト対策 一冊に
福山の小西さん 研究者と共著


   

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出版した本を手に学校裏サイトの実態と対策について話す小西さん

 福山市笠岡町の小西直人公認会計士(60)が、研究者と共著で「学校『裏』サイト対策Q&A」を東京書籍から出版した。いじめの温床になっている非公式の学校掲示板など学校裏サイトを監視する企業も経営する経験から、トラブル実態などを明かし、保護者に注意を呼び掛ける。

 ▽監視の経験生かし助言

 社長を務めるピットクルー(東京)は2008年、携帯電話の普及などによるインターネット上のいじめ増加を受け、裏サイトの調査・監視を開始。岡山県など全国13自治体の計約7300校から監視の依頼を受け、危険なケースは各教委と緊急で対策を講じる。

 小西さんは同著で裏サイトについて、@略語や隠語が複雑化A中傷や援助交際など不適切利用が多様化B自己紹介サイト(プロフ)が広がり、個人情報流出の危険性が増加―と指摘。書き込みがいじめや自殺、暴行事件を引き起こし、個人情報が犯罪に悪用される恐れを訴えている。

 同著は保護者の対策として、有害サイトの閲覧制限(フィルタリング)利用▽ネット通信量の確認▽ネット利用のルール取り決め―などを強調。サイトの内容を理解するため、「友希(友達希望)」「タヒ(死)」など特有の隠語も解説する。

 城西国際大大学院(千葉県)の鈴木崇弘客員教授と共著した。A5判、215ページ。1575円。小西さんは「『親はネットをよく知らないから相談してもしょうがない』と子どもが裏サイトの悩みを話さないことも多い。本を参考に親子でネット利用を話し合ってほしい」と呼び掛けている。(水川恭輔)

(2011.11.7)





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