中国新聞


高校・大学生対象の奨学金、受け付け中止へ
旧因島・旧瀬戸田・旧向島から引き継ぎ制度
尾道市が2012年度


 尾道市は、合併を機に旧因島市、旧瀬戸田町、旧向島町から引き継いだ高校・大学生などを対象にした各奨学金制度の新規受け付けを本年度でやめる。

 制度は経済的理由で進学や在学が難しい成績優秀な高校・大学生などの支援を目的に、旧因島市が1960年度、旧瀬戸田町が61年度、旧向島町が2002年度に創設した。

 いずれも旧市町内の高校生に月額1万〜3万円以内、大学生に同3万〜5万円以内を無利息で貸し付ける。11年度の対象は、旧因島市18人(新規5人)、旧瀬戸田町8人(同2人)、旧向島町3人(同2人)。

 旧向島町は05年、旧因島市と旧瀬戸田町は06年に尾道市と合併した。旧尾道市には奨学金制度はなく、合併協議の中で各市町の要望により「当分の間継続」となっていた。

 合併から5年たち、市は「全市的な制度でなく、日本学生支援機構や県などの奨学金事業がある」との理由から新規受け付けの中止を決めた。現在の利用者には卒業まで貸し付ける。

 合併後、3奨学金の貸付資金は返還金と尾道市の一般財源から拠出した資金で運用していた。旧瀬戸田町に住民が寄付して創設された基金は、合併後、手つかずのまま約7200万円が残っている。

 市財務部の島田康教部長は「基金の用途を検討し、決まり次第、住民への説明の場も設ける」と話している。(渡辺裕明)

(2011.11.29)


【関連記事】
広島大が新奨励金制度 経済難の学生に授業料半額援助 (2010.12.25)
柳井市、大学生に奨学金 市内出身者に月額3万円 (2010.2.20)
父子・母子家庭、授業料無料に 徳山大の地元新入生 (2009.6.16)



子育てのページTOPへ