中国新聞


広島市「虐待防止」シート42万枚配布
使い方の照会相次ぐ


   

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広島市が作製した児童虐待防止の啓発用マグネットシート

 広島市は30日、児童虐待防止を呼び掛けるマグネットシートを新聞折り込みで各世帯に配布した。製作枚数は42万枚で費用は1900万円。説明文を添えていなかったため、市には「どうやって使うのか」などの問い合わせが相次ぎ、中には「税金の無駄遣い」との声もあった。

 白地のシートは縦15センチ、横20センチ。「地域全体で子育て家庭を支えていきましょう」との言葉と児童相談所の電話番号などを印刷。冷蔵庫などに張ればホワイトボードとしても使える。この日の折り込みで大半の40万枚を配布。残りは市役所や区役所の窓口で配る。

 費用は市の負担でなく、国の交付金で県が設置した「安心こども基金」を充当した。

 電話連絡先の市児童相談所には、同日夕までに市民から問い合わせが30件以上寄せられた。「使い方が分からない」「何のために配ったのか」といった内容だったという。

 市こども・家庭支援課は「説明書きを添えるなどの配慮に欠けた。普段から虐待への関心を持ってもらおうと家庭で長く使えるマグネットシートにした」と説明している。(田中美千子)

(2011.12.1)


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