中国新聞


島根県の母子家庭、貸付額最多
経済状況厳しく11年度3億9000万円


   

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 母子家庭の生活支援を目的とした島根県の母子・寡婦福祉資金貸付金の貸付額が2011年度、過去最多の3億9千万円となった。景気低迷に伴う母子家庭の経済状況の悪化が要因。貸付額の増加に加え、返済割合を示す償還率も4割台と低いため貸付金の原資が不足し、12年度は2年連続で一般会計から繰り入れて貸し付ける事態となった。

▽償還率も低迷

 県によると、11年度の貸付額は過去最多だった10年度(3億5千万円)から11・4%増。貸付件数も831件で10・9%増え、過去最多を更新した。大半が子の就学費用に対する貸し付けという。

 一方、貸付金の返済請求額に対する返済額の割合を示す償還率は11年度、過去最低だった10年度の41・1%から数ポイントの回復にとどまる見通し。

 返済額は貸付額の原資に充てられるため、償還率の低迷は原資不足に直結する。県は11年度、通常は特別会計で賄う事業費5億1900万円のうち、約2割の1億円を一般会計から繰り入れた。12年度も、事業費5億400万円のうち約2割に当たる1億1千万円を繰り入れる見込みという。

 県青少年家庭課は「困窮家庭を救済する趣旨から、貸し付け条件の厳格化は考えていない。計画通りに返済してもらうよう、家庭への呼び掛けを強化するしかない」としている。(樋口浩二)

(2012.5.21)


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