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不登校児らに支援の場 廿日市市社協
4月設置、運営スタッフ養成へ


   

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廿日市市社会福祉協議会が不登校の子どもたちの集いの場を開く市総合健康福祉センター

 不登校の子どもや引きこもりの若者の居場所づくりへ、廿日市市社会福祉協議会は4月から、市中心部に集いの場を設ける。身近な地域の拠点として計画。広島県社協によると、県内市町の社協では例のない試みという。運営に携わるボランティアの養成講座を2月6日から開く。

 計画する集いの場は、4月9日から同市新宮の市総合健康福祉センター(あいプラザ)の一室で開く。ゲームや運動などで自由に過ごす中で、子ども同士やボランティアとの人間関係を育む。

 利用時間は毎週火曜日の午前10時〜午後3時。参加費1回500円。20〜30歳代の引きこもりの若者も受け入れる。

 広島市内には不登校・引きこもりの子どもや若者の支援施設はあるが、廿日市市社協によると、廿日市、大竹両市にはないという。廿日市市教委が市内3カ所で開く教室「こども相談室」は、決まった時間割で授業を行う形式になじめず、利用を拒む子どもがいる。

 こうした中、市社協は2009年から、不登校に悩む保護者が語り合う「親の会」を開く。参加者から「子どもが好きな時に気軽に出掛けられる場がほしい」「社会性を身に付ける場がほしい」との声が上がっていた。

 養成講座は2月6〜27日、同センターで計5回開く。不登校の現状を学ぶほか、運営の企画案も練る。参加費2千円。13日午後1時半からの講座は、支援に取り組む社会福祉士を招き、受講者以外も無料で聴講できる。

 市教委によると、本年度に30日以上欠席している市内の不登校の小中学生は96人。市社協は「地域ぐるみで活動に理解を深めてもらい、子どもを見守る態勢をつくりたい」としている。市社協=電話0829(20)0294。(村上和生)

(2013.1.26)


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