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安浦の2小、生活バスで通学 新学期から児童50人
呉市、利用者を確保へ


   

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新学期から児童が通学に利用する生活バス

 呉市安浦町の小学校2校の児童約50人が新学期から、町内を巡回する「生活バス」で通学する。スクールバスから切り替える。町内を走る唯一の路線バスは乗客の減少が続き、存続を懸念する声も出ている。利用者確保が大きな課題となっており、4月に運行車両が1台増えるのを機に、市が学校や保護者の協力を得て進める。

 同町には、内海、安登、三津口の3小があり、児童約60人が現在スクールバスで通っている。生活バスでの通学に切り替えるのは内海、安登小の児童の一部。

 登校時の乗車時間はほとんど変わらない。下校は運行経路の関係で乗車時間が約10分長くなる子もいる。通学にかかる運賃は市教委が全額補助する。

 生活バスの利用者は2011年度は延べ4万3900人で、08年度に比べ7400人減った。市の試算では、児童が乗れば延べ利用者数は年間約1万人確保できる。

 生活バスは市が年間2千万円を地元の安浦交通に補助し、同社が運行している。通学に使えば利用者増につながると、市が増車に合わせて同社に提案した。13人乗り車両を500万円で既に購入しており、同社に無償貸与する。

 4月から路線数も10から11になる。ダイヤ改正や運行経路見直しで利用しやすくする。市交通政策課は「町民の大事な交通手段。児童の安全にも十分配慮したい」としている。(小林可奈)

(2013.3.18)


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