中国新聞


幼稚園跡に民間保育園 広島市内初の転換事業者を公募
共働き世帯増で高まるニーズ


   

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広島市が民間公募で保育園への転用を見込む旧北祇園幼稚園

 広島市は、3月末で廃園した市立北祇園幼稚園(安佐南区祇園)の跡地で保育園を開く民間事業者を公募している。幼稚園の周辺地域では若い共働き世帯が増えており、子どもの数に対して保育園の定員が不足。市立幼稚園の民間保育園への転換は市内では初めてで来春の開園を見込む。

 市は約2300平方メートルの敷地を無償貸与する代わりに、事業者に鉄筋2階建て延べ約740平方メートルの幼稚園舎(築38年)の解体と保育園舎の新築を求める。新築費用に対し、市は最大約9500万円を補助する。

 祇園地区は住宅街で、4年前には大型商業施設が開業。地区内には6保育園(市立2、私立4)がある。合計定員746人に対し、昨年4月の入園には86人が漏れた。共働きで保育園のニーズが高まる一方、同地区の市立幼稚園2園はここ数年、定員割れが続く。市は2010年、旧北祇園幼稚園の廃園と保育園への転用を打ち出した。

 市内の保育園の待機児童数は昨年10月現在で827人。12年度は民間の4保育園ができ、今春の総定員は約400人増えた。市は民間事業者に保育園の新設や増改築を促す補助制度を続け、13年度に720人分の定員増を見込んでいる。

 市保育指導課は「2年後に待機児童ゼロになるよう、地域の状況や保護者の働き方などを分析しながら保育園整備を進めたい」としている。(岡田浩平)

(2013.4.3)


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