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小学校通学路の安全対策 1588カ所の大半を完了
広島県教委まとめ 90カ所は未定


   

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 広島県教委は、児童が事故に遭う恐れがあると指摘された通学路の安全対策の実施状況をまとめた。小学校や警察の合同点検で対策が必要と指摘された1588カ所のうち、約3割の491カ所で対策が完了。1007カ所も施す対策の内容が決まったが、90カ所ではスペースなどに制約があり、対策が立てられていないという。

 昨年6〜11月に公立の小学校と特別支援学校小学部の校区ごとに調査し、交差点の見通しが悪い▽交通量が多い▽側溝にふたがない―などの危険な場所を点検。対策が必要な地点数は1588カ所に上った。市町別では、福山市174カ所▽広島市158カ所▽尾道市155カ所―の順に多かった。

 昨年11月時点で1588カ所の対策状況をまとめたところ、229カ所(14・4%)では学校が通学路を変えたり、見守りのボランティアを置いたりして安全を確保。262カ所(16・5%)でフェンスや横断歩道などを新設して改善した。1007カ所(63・4%)は今後講じる対策が決まったという。

 一方、残る90カ所(5・7%)では対策が決まっていない。

 県内最多の27カ所で対策が決まっていない安芸高田市教委は「道路幅が狭いため、すぐに道路を改良できず、見守りのボランティアを確保できない地域もある」。24カ所が未定の三原市も「道路拡幅の用地買収や信号機設置のための調整に時間を要する場所がある」と説明する。

 京都府亀岡市などで集団登校中の児童が巻き込まれる死亡事故が相次いだのを受け、文部科学省が自治体に安全点検を求めた。広島県内では昨年1年間、登下校中の小学生が巻き込まれた事故は63件起きた。(衣川圭)

(2013.4.6)


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