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新制度入学者、島根からゼロ 加計高芸北分校
情報発信強化へ


   

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新制度を利用した島根県からの入学がなかった加計高芸北分校

 島根県全域からの入学者の受け入れを2013年度から始めた広島県立加計高芸北分校(北広島町)で、新制度を利用して入学した島根県出身の生徒がゼロだったことが15日、広島県教委のまとめで分かった。知名度不足が響いたとみられ、同分校は情報発信を強める。

 普通科1学級(定員40人)の分校の入学者は昨年度と同じ21人。広島県内から町内の18人と広島市内の2人が入学。島根からは、1975年度以降受け入れ続ける隣接の浜田市金城町の1人が入ったものの、本年度から受け入れる同町以外からは志願者自体がいなかった。当初は10人程度の入学を見込んでいた。

 広島県立高で前例のない島根県全域からの入学受け入れは、地元の要望を受け、広島県教委が昨年7月に決めた。分校は計3回、島根県の全中学校にメールで入学を案内。全国大会常連のスキー部や神楽部も売り込んだ。

 入学者ゼロの要因を細川洋分校長は「知名度不足」と分析する。本年度は島根の全中学校に毎月、メールで学校の活動をPR。夏のオープンスクール前には島根の各市町教委を訪れる計画も練る。

 旭中(浜田市)の古藤浩夫校長は「進学の選択肢が増えるのは歓迎。スキーや神楽に魅力を感じる生徒も出るだろう」とみる。一方、ホッケー強豪校で県外から受け入れを進める横田高(島根県奥出雲町)の陶山浩正校長は「生徒の取り合いは避けたい。都市部の生徒獲得へ互いの魅力を発信していければ」とすみ分けを願う。

 芸北分校同窓会の寿老靖彦会長(65)は「制度は始まったばかり。下宿先の確保など地域でも受け入れ態勢を整えたい」と話した。(衣川圭、畑山尚史)

(2013.5.16)


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