中国新聞


公園遊具の老朽化でけが
広島市2012年度4件、点検強化へ


   

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昨年6月にロープが切れた安川緑地の丸太渡り遊具。広島市が事故後、ロープをチェーンに替えた

 広島市内の公園でブランコなどの遊具が壊れ、遊んでいた子どもたちがけがをする事故が昨年度、4件起きていたことが20日、分かった。道路や橋などと同じように遊具も老朽化が進む。市は21日、各区の担当者を集めて点検の講習会を開く。

 公園の事故は10、11年度に各1件だったが、12年度は4件に急増した。

 昨年5月、東区戸坂千足2丁目の戸坂千足市営住宅の児童遊園でブランコの支柱が折れた。小学3年女児が地面に落ち、胸などを打った。

 安佐南区では3件、相次いだ。昨年6月、安川緑地(古市3丁目)で丸太渡りのロープが切れ、4歳女児が落下。頭を打った。

 8月には大町公園(大町西2丁目)で小学6年女児が遊んでいたブランコの座板が割れ、右手を打撲。ことし2月、安東上第5公園(安東5丁目)ではさびた滑り台で孫を抱いて遊んでいた男性が左手を切った。

 4公園の遊具が設置されたのは1976〜98年。市内には1157の公園があり、遊具のある公園は8区の事務指導員が2カ月に1回、目視で点検している。事務指導員には市の退職者たちが就く。安佐南区維持管理課は「更新には予算が必要。財政が厳しい中、当面は点検を徹底して事故を防ぐ」とする。

 市は21日、事務指導員を対象にした点検講習会を安佐南区内の公園などで開く。安川緑地で遊んでいた古市小5年岡賢悟君(10)は「みんなが安全に使える遊具にしてほしい。僕も遊び方を気を付ける」と話した。(加納亜弥)

(2013.5.21)


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