中国新聞


福山市の児童虐待相談、最多270件
育児放棄1・45倍の140件


   

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 福山市が2012年度に受けた児童虐待の相談件数は270件で、統計を取り始めた05年度以来最多となった。前年度の259件に比べ4.2%増。中でも、育児を放棄するネグレクトの疑いは、140件と前年度の1.45倍になった。

 内訳は最多だったネグレクトに続き、暴言などの心理的虐待81件▽身体的虐待47件▽性的虐待2件。市子育て支援課によると、ネグレクトについては「洗濯していない服をずっと着させている」「夜間に親が遊びに出掛け、幼い上の子に下の子の面倒を見させている」などの相談が目立つという。

 同課の井上博文課長は、ネグレクトが急増した理由について「保健師やケースワーカーが家庭訪問などの際、ネグレクトを疑わせる衣服の汚れや栄養不足に敏感に気づくようになったのが数字を押し上げた」とみる。10年に市内で起きた女児虐待死事件以来、相談全体の件数も増えているという。

 加害が疑われたのは実母が最多の221件。実父31件、実父以外の父9件、実母以外の母2件などだった。子どもの年齢層は、3歳〜未就学児が85件で、小学生84件▽3歳未満81件▽中学生17件▽高校生・その他3件−と続いた。

 市子育て支援課は「身近で児童虐待かもしれないという気付きがあれば、遠慮なく相談してほしい」と呼び掛けている。電話084(928)1258。(久保友美恵)

(2013.6.5)


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