中国新聞


解体後、現在地に新築 島根県津和野町の青原小
施工不良 町長が住民説明会で意向


   

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 津和野町青原の青原小で校舎の梁(はり)の厚さが不足し、鉄筋がむき出しになる施工不良が見つかった問題を受け、同町の下森博之町長は、校舎を解体した後、現在地に新校舎建設を目指す意向を明らかにした。

 20日夜、同校近くの青原公民館で開いた住民説明会で示した。現校舎が完成した1966年3月以来、耐震工事中の今月12日まで、47年にわたって施工不良に気付かなかったことなど、事態の経緯を町教委の担当者と説明した。

 集まった約20人の保護者や住民からは「校舎の解体が、隣接校への統合につながるのでは」との指摘もあったが、下森町長は「不良建物を存続するわけにはいかない。解体した上で、(現在地に)新設するしかない」と強調。町教委幹部も、現校地に新築中の体育館と併せて、新校舎を活用する意向を示した。

 校庭に建設する仮校舎の完成まで約4カ月かかる。この間、現校舎は使用不能になるため、全校28人は代替校舎の日原山村開発センターまでスクールバスで通学する計画を保護者に提示。体育の授業や給食は、同センターに近い日原小の施設を活用し、同小の児童と交流する案も示した。

 問題の梁は、職員室や図書室など1、2階の4室の天井裏にあり、梁に接した窓枠の形に合わせてコンクリートを厚さ5センチにわたって削った跡があった。町教委は「倒壊の危険性が高い上、事後に梁を補強しても安全性を確保できない」として、実施中の耐震工事を中止した。(石川昌義)

(2013.8.22)





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