中国新聞


田舎体験、日帰りOK 安芸太田の推進協
修学旅行生 京都から89人 野菜収穫楽しむ


   

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角田さん(右端)の自宅近くの畑で、収穫したサツマイモを持つ児童

 民泊を活用した修学旅行の誘致を進める広島県安芸太田町の官民組織、町田舎体験推進協議会は18日、日帰りの田舎体験の受け入れを始めた。子どもたちと交流を望んでも泊めるのは困難な家庭や、民泊できなくても田舎を体験したい学校のニーズに合わせ、町への訪問機会を増やす。

 この日は、京都市の京都教育大付属京都小中学校の4年生89人が、宿泊先の廿日市市吉和から同町を訪問。3、4人ずつ町内の27世帯に分かれ、午前9時ごろから約4時間過ごした。

 同町上筒賀の角田トヨコさん(82)方には、尾藤琢磨君(9)、平井ほの香さん(9)、森下美琉久(みるく)さん(10)が滞在。近くの畑でナスやサツマイモを収穫し、昼食に調理して一緒に食べた。

 森下さんは「優しくしてもらえたし、芋掘りも楽しかった」と笑顔。夫を13年前に亡くしてから一人暮らしの角田さんは「いつもは一人で食べる。3人に元気をもらった」と目を細めた。

 町内では、宿泊が前提で現在98世帯が受け入れ先として登録。だが、一人暮らしの高齢者など宿泊まで世話をするには不安があり、登録を見送る世帯もあった。このため、同協議会が日帰りのメニューも始めた。今回は、民泊登録をしていない15世帯が受け入れた。

 同協議会は「短時間の田舎体験は、学校側のニーズもある。民泊にこだわらず、選択肢を増やし、交流拡大につなげたい」とする。(畑山尚史)

(2013.10.19)


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