中国新聞


通学路安全対策 7割完了
福山の174カ所
9カ所見通し立たず


   

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転落防止の柵が付き、白線が引き直された市道(福山市南蔵王町)
 

 福山市内の通学路で安全対策が進んでいる。昨年8月の緊急点検で対策が必要とされた174カ所のうち、今年10月末までに約7割が完了した。ただ9カ所は、地元と用地や工法の協議がまとまらないなどの理由で、見通しが立っていない。

 蔵王小(蔵王町)の通学路では、路肩に深い溝がある市道に、市が転落防止柵を設置し側線を引き直した。県警も通行量の多い横断歩道を修復した。近くの東坂恵子さん(64)は「自転車で落ちた子どもがいた。柵が付いてよかった」と評価する。

 市教委によると、道路を管理する市や県、警察、学校が、今年10月末までに127カ所(73・0%)で路側帯の拡幅や横断歩道の設置、通学路変更などの対策を終えた。残る38カ所(21・8%)も対策方法が決まり、本年度中に完了する見通し。一方、めどが立っていない9カ所(5・2%)は新たな対策を検討するという。

 緊急点検と対策は、2012年春に京都府亀岡市などで児童が巻き込まれる死亡事故が相次いだのを機に、全国の自治体が進めている。福山市では昨年度、登下校中の事故は67件。10年には下校中の女児が亡くなる事故が起きた。

 市教委学校保健課は「今後も危険な場所は関係部署と連携して減らしていく」と話している。

(2013.11.13)


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