中国新聞


廃校の歴史 行き場なく
府中3小学校 アルバムや校旗
保管の旧校舎 解体予定


   

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府中公民館のロビーの片隅に置かれた旧東小の写真など

 府中市で廃校になった3小学校のアルバムや校旗などが、行き場を失っている。保管所となっていた旧東小北校舎の解体を機に、市教委は地元公民館へ引き取りを依頼したが、公民館も手狭なため、一部はロビーに雑然と置かれたまま。市教委は対応に頭を抱えている。

 教諭と児童が並ぶ卒業写真、卒業アルバム、卒業生が寄贈した絵画や書…。府中町の府中公民館1階ロビーには、旧東小の歩みを伝える資料が床に置かれている。「軽トラックで5台分。学校の歴史そのもので、受け入れるしかないが」と同館職員はこぼす。

 岩谷、広谷、東、西の4小学校は2008年に廃校となり、府中小(元町)が誕生。市教委は、西小以外の3校の写真などを旧東小北校舎の2教室に集めて保存していた。数百点に上るとみられる。

 北校舎が9月から解体されるのを前に市教委は、アルバムなどについて「処分できない。これを機に地域の物は地域の施設に」と、地元3公民館に引き取りを依頼。だが公民館側もスペース的な余裕がなく、1館は引き取りを断念した。

 市教委は引き取り手がなかった品を南校舎に移したが、南校舎も予算が確保されれば解体される見通し。市教委総務課は「保管できる限りは保管したいが、最後は処分せざるを得ない」としている。

(2013.11.14)


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