中国新聞


学校再生これから
廿日市の中3死亡報告書
保護者、厳しい視線


   

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報告書提出について記者会見する奥委員長(右から2人目)

 廿日市市の市立中学3年の女子生徒(14)が5月に亡くなった問題で16日、調査委員会が公表した報告書は、市教委や学校、保護者、地域が一体となった支援体制の必要性を指摘した。関係者は報告書を受けて、安心して通える学校の再生に向けた一歩を踏み出す。

 報告書の内容を説明する記者会見には、調査委委員長の奥典道教育長と高橋超副委員長、市教委の大西利武委員長が出席。奥教育長は「学校の指導体制に問題があり、改善事項は強く指導していく」と述べた。

 同校はいじめを早期発見できるよう指導体制を見直して再発防止につなげる再生プランを策定し、実践に移すことにしている。

 報告書では、学校側が複数の生徒の保護者に「口止め」と受け取られる電話対応を取ったり、市教委が遺族から提供された女子生徒のメモを放置して調査委への提出が遅れたりするなど、保護者にも不信感を抱かせたと指摘した。

 同校3年生の保護者は「学校全体の意識が変わるには時間がかかるのではないか」と厳しい視線を注ぐ。調査委や学校が掲げる再発防止策について「保護者としてできる限りの協力をしたい」と前を向いた。

 同校生徒の登下校を見守る住民組織の役員男性(71)は、女子生徒の死亡後、授業を見学するなど学校との関わりを深めた。「個別の子どもへの対応で地域にも反省点はあった。今後は学校と一緒に課題を考えたい」と力を込めた。(桑原正敏、村上和生)

(2013.11.17)


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