中国新聞


商店街に交流キャンパス
尾道市立大が来春オープン
市、文化館を無償譲渡へ


   

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来年4月に尾道市立大のサテライトキャンパスになるおのみち街かど文化館

 尾道市立大は来年4月、土堂の尾道本通り商店街内にサテライトキャンパスをオープンする。市が所有するおのみち街かど文化館の建物を無償で譲り受ける。街中の利便性を生かし、市民公開講座や研究発表などの会場として活用。市中心部の新たな芸術・文化の発信拠点を目指す。

 文化館は鉄筋3階建て、延べ約490平方メートル。現在は、1階展示室で主に市教委の尾道遺跡発掘調査研究所が企画展を年2回開いている。有料で貸し出し、市民が絵画や写真などの展示をしているが、所管する市教委文化振興課によると、稼働率は7割程度という。

 大学側は市民講座開催のほか、学生の作品展示や講演会、市民との情報交換の場としての利用を考えている。同大は今後、学内に委員会を設け、詳細を決めるという。市は同館の廃止条例案を12月に開会する市議会定例会に提案する方針。

 本通り商店街では、中央商店街にあるコミュニティー施設「絵のまち館」が今月末で閉鎖。市民の発表の場が減ることが懸念されている。同課は「サテライトキャンパスになっても、市民が展示会などで利用できるよう協力を求める」とする。

 文化館は市が1997年7月に生命保険会社の建物を賃借し、郷土資料館などとしてオープン。2002年9月、同社から2千万円で土地建物を購入。06年3月に約1500万円をかけて改修し、現在の名称になった。(渡辺裕明)

(2013.11.21)


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