アジア

ノーモアヒロシマ・ノーモアナガサキ平和博物館(インド)

(09年12月10日)

◆IIPDEP所長 バルクリシュナ・クービー

 急速に発展しているインドでは、貧富の差は日ごとに大きくなり、基本的な生活環境が整っていない地区も多い。一方、パキスタンとの間では核軍拡競争が続く。核兵器は軍事的武器でなく政治的武器。国民に経済的負担を強いるうえ、倫理的、道徳的にも容認できない。

 国民は核実験の経費やその影響を知らされるべきだ。爆発すれば一瞬にして多くの人が消え、遺伝的な影響が残るかもしれない。地下核実験でも放射線は大気中に放出され、地下水を通じて出てくることもあるだろう。

 通常兵器と核兵器の違いを人々に認識してもらうため、インド平和軍縮環境保護研究所(IIPDEP)は1996年8月6日、この博物館を設立した。広島と長崎の原爆資料館や被爆者団体から寄贈を受けた写真を展示している。インドの核実験場の写真もある。

 また開館以来、8月6〜9日には国内各地で巡回平和展示会を開催。これまでデリー、ムンバイなどを回り、今年はハイデラバードなど5カ所で催した。

 平和は人類の進歩のために最も基本となる出発点。核兵器は非人道的であり、安全保障を提供するものではない。

 より広い場所で、視聴覚効果を取り入れた展示をするために、平和を愛する世界中の人々の協力を仰ぎたい。

住所 537, Sakkardara Road, Nagpurー440009 INDIA
電話 +91―712―2745806
休館日 なし(ただし日曜、祝日は、平日に来館の難しい学生と社会人だけ来館可能)
入館料 無料

(2009年11月16日朝刊掲載)


※写真はクリックすると大きくなります。



原爆に関する写真パネルに見入る人々

原爆に関する写真パネルに見入る人々

見学した感想をノートに記入する入館者

見学した感想をノートに記入する入館者

日本から寄せられた原爆に関するパネルを見る来館者たち

日本から寄せられた原爆に関するパネルを見る来館者たち

原爆の悲惨さを伝えるスライド上映

原爆の悲惨さを伝えるスライド上映