アジア

解放戦争博物館 (バングラデシュ)

(11年2月10日)

■評議員・総務部長 モフィドゥル・ホック

 9カ月間にわたるパキスタンとの闘争を経て、バングラデシュは1971年に誕生した。1996年に開館した当館は、独立へと立ち上がった民衆の勇気や決意、英雄行為と苦難を伝える。

 所蔵品は1万5200点(昨年9月現在)に上る。貴重な写真や資料、報道記事、犠牲者の遺品などがある。来館者は蜂起に至った経緯、民衆が払った犠牲を知ることができる。こうした過去を若い世代が知り、よりよい未来を築いてくれるよう願っている。

 バスを移動博物館とし、各地の教育施設に走らせている。学生たちは車内で展示品やドキュメンタリー映画を見ることができる。また学生たちには、独立当時のことを家族に聞いてみようと呼び掛けてきた。これまでに1万5千件の証言が当館に寄せられている。

 1996年、当館は軍の援助を受け、ダッカ郊外の戦場を掘り起こして保存した。この取り組みを通じ、兵士の遺族や地元コミュニティーとの絆が強まった。

 さらに、さまざまな記念日に催しを行っている。国際非暴力デーなどのほか、8月6日のヒロシマデーにもイベントを実施する。人権解放に関する国際ドキュメンタリー映画祭も毎年開催している。

 新たに敷地を確保し、近代的な設備を備えた新博物館の建設に取り掛かったところだ。2013年の開館を目指している。


住所 5,Segun Bagicha Dhaka-1000
電話 880-2-9559091
ホームページ http://www.liberationwarmuseum.org
休館日 日曜日、国民の祝日
入館料 5タカ(約7円)

(2011年2月7日朝刊掲載)

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解放戦争博物館


解放戦争博物館が毎年開催する自由の祭典


博物館来館者


「ヒロシマデー」の催しに集まった子どもたち


遠方の学校に訪問中の移動博物館