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連載 被爆70年

平和首長会議 加盟都市からの首長メッセージ 埼玉

①さいたま市 清水 勇人市長

 原爆投下の悲劇から70年の年月がすぎようとしています。戦争 を知らない世代が多くなる中で、戦争の記憶の風化が懸念されます。 あの悲惨な戦争を二度と繰り返さないために、わが国は、世界で 唯一の核被爆国として、戦争の怖さ、惨めさ、無益さを、また、核 兵器の恐ろしさを世界の人々に伝えていかなければなりません。

 今後も「平和宣言都市さいたま市」は、被爆地広島の皆さまと平和 への思いを共有し、核兵器等の廃絶と世界の恒久平和実現に貢献す る取り組みを推進してまいります。

②埼玉県入間市田中 龍夫市長

 昭和20年8月、広島市に投下された原子爆弾により多くの人々の尊い命が奪われ、戦後70年を迎える今日もなお放射線による被爆者の苦しみは続いております。

 入間市では、核兵器廃絶、戦争の過ちを再び繰り返さないことを訴え、市民共通の願いである、掛け替えのない地球環境を守り、世界の恒久平和実現のため「入間市平和都市宣言」を平成7年8月に行い、さまざまな平和推進啓発事業を実施しております。

 今後も核兵器のない平和な世界の実現に向けて、平和首長会議加盟都市との連携を深め取り組んでまいります。

③埼玉県熊谷市 富岡 清市長

 世界ではいまだに核の脅威やテロの恐怖が存在しています。これらを根絶するためには平和首長会議加盟都市が主導して、平和を希求するメッセージを発信していかなければなりません。

 熊谷市は終戦前夜の空襲により尊い命が失われ、戦災指定都市となりました。一瞬にして焦土と化した大地、尊い多くの命が奪われた苦しみは決して風化させてはならない事実です。本市では、これら戦争の記憶を失うことがないよう、平成18年7月1日に「非核平和都市宣言」を行いました。

 この掛け替えのない美しい地球と、これまで人類が築きあげた偉大な遺産を後世に引き継ぐことは、今を生きる私たちの使命であります。今後も、世界恒久平和と核兵器の廃絶に向け、平和事業の推進に努めてまいります。

④埼玉県狭山市 仲川 幸成市長

 狭山市では、平成元年に「平和都市宣言」を行い、毎年、将来を担う中学生が広島平和記念式典に参列しております。

 本年は、終戦から70年となることから、平和都市宣言の趣旨にのっとり、戦没者の追悼と恒久平和を祈念して式典を開催してまいります。

 今なお、世界中で繰り返される紛争や内戦の惨禍がなくなり、あらゆる核兵器の廃絶と、世界の恒久平和の実現を切に願い、狭山市はこれからも市民とともに平和事業を推進してまいります。

⑤埼玉県鶴ケ島市 藤縄 善朗市長

 鶴ケ島市は、平成24年3月に「鶴ヶ島市平和都市宣言」を制定し、市内の小学生を広島市の平和記念式典に派遣する事業を実施しています。私自身も2年前に式典に参列し、あらためて戦争や核兵器のない世界、恒久平和はみんなの願いであることを深く認識いたしました。

 これからも平和に対する感謝の念を常に忘れることなく、戦没者の追悼、鶴ヶ島市民の平和意識の啓発と高揚のための取り組み等を行ってまいります。 

⑥埼玉県所沢市 藤本 正人市長

 1945(昭和20)年8月、広島市に投下された原子爆弾により、数多くの尊い命が奪われました。

 戦後70年を迎える現在でも、多くの方に放射線による後障害や精神的苦痛を残しております。

 所沢市は1984(昭和59)年に、被爆した広島市役所旧庁舎に使用されていた敷石を、広島市から恵贈されました。この敷石を市役所広場に設置することで、核の恐ろしさ、戦争の悲惨さを忘れることなく、平和を祈念しております。

 今後も唯一の被爆国であることを念頭に置き、平和首長会議加盟都市との連携を深め、核廃絶・世界平和の実現に向け取り組んでまいります。

⑦埼玉県飯能市 大久保 勝市長

 広島、長崎に原子爆弾が投下されて70年という節目を迎えるにあたり、原子爆弾の犠牲となられた多くの方々の御霊に対し謹んで哀悼の意を表するとともに、今なお後遺症に苦しまれている方々に心からお見舞いを申し上げます。

 これを契機に、戦争の悲惨さや平和への思い、命の尊さをあらためて心に刻み、平和の大切さを次世代に語り継ぐとともに、これからの日本を担う子どもたちのためにも、平和な社会の実現に向けなお一層努めてまいります。

⑧埼玉県東松山市 森田 光一市長

 東松山市は、平成8年9月に「東松山市花と歩けの国際平和都市宣言」を行った。これを契機に、花とウォーキングのまちの平和賞として毎年、平和に関する作文や絵画の募集と表彰を続けているほか、当市に立地する埼玉県平和資料館との共催事業を行っている。

 戦後70年の節目を迎えるに当たり、今後とも平和の尊さを戦争の悲惨さを市民とともに考える取り組みを進めてまいりたい。

⑨富士見市 星野 信吾市長

 本市では昭和62年に「富士見市非核平和都市宣言」を行いました。非核平和の理念が市民に深く根差していくことを願って、毎年市民の皆さまとピースフェスティバルを開催するほか、市内6か所に都市宣言広告塔を、また市役所に市民から寄贈いただいた「平和の鐘」を設置しています。戦争や原爆の悲惨さと恐ろしさ、平和の尊さを語り伝えることが私たちの使命であり、次代を担う子どもたちへ、これからもその思いをつなげていきます。

⑩埼玉県ふじみ野市 高畑 博市長

 1945年の惨劇から70年たった今も核兵器を世界から廃絶するという目標は、達成されていません。この悲しい現状は、人間の未熟さを現しているように思います。

 しかし、未熟さゆえの過去の過ちを正し、前に進むことができるのも人間です。時がたつにつれて当時を知る語り部は少なくなります。われわれの世代は記憶ではなく記録としてしか後世に語り継ぐことができません。だからこそ言葉を発することが重要なのです。 70年で成し得なかった核兵器の廃絶を将来達成するためにわれわれは平和を訴えていきましょう。

⑪埼玉県滑川町 吉田 昇町長

 「平和」は、全人類普遍の願いであります。

 20世紀は幾多の悲惨な戦争の歴史が綴(つづ)られております。20世紀を経験した私たちだからこそ、21世紀を平和の世紀へとしていかなくてはならない責務があります。

 世界各地で核兵器や核エネルギー開発に伴う危機は、むしろ高まっていると言わざるを得ません。

 広島・長崎への原爆より70年を迎える今、自治体を預かる私たちといたしましても、また唯一の被爆国の一人といたしましても、世界の恒久平和と全ての人々が安心して生きることのできる地球環境の確立を目指して、あらゆる努力をしてまいりたいと思います。

⑫埼玉県松伏町 会田 重雄町長

 松伏町では、核兵器の廃絶を訴え、恒久の平和を願い、平成元年に「松伏町平和都市宣言」を行いました。

 再び悲惨な争いを繰り返すことのないよう核兵器の廃絶を訴え、安らぎに満ちた平和な暮らしを築くことは、町民の願いであり、世界中の人々の願いです。

 一日でも早く核兵器の廃絶を実現するとともに、未来の子どもたちが核兵器の恐怖におびえることのない社会の実現に向けて、日本、そして世界が力を合わせて取り組んでいきたいと考えます。

紙面 埼玉県