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連載 被爆70年

平和首長会議 加盟都市からの首長メッセージ 広島

平和首長会議会長
広島市長 松井 一実

 広島・長崎両市への原子爆弾投下から70年が経過しようとする中、世界にはいまだ1万6千発以上の核兵器が存在しています。

 私が会長を務める平和首長会議では、国内外の6400を超える加盟都市やこれら加盟都市の市民、非政府組織(NGO)等と連携して、2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」の積極的な展開を図っています。

 今、世界中の人々に求められていることは、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の思いを受け止め、「過ちは繰り返しません」との誓いの下、共に行動することです。何よりも人の命を尊重し、他者の痛みをわが痛みとし、不信の連鎖を断ち切るために行動することです。

 被爆70年という節目の年に当たり、より多くの人々の力を結集させ、「核兵器のない世界」の実現に向けた取り組みの強化を図ってまいります。

①広島県安芸高田市 浜田 一義市長

 安芸高田市は、世界最初の被爆県広島に属する自治体として、生命の尊厳を深く認識し、非核三原則の堅持を願うとともに、一刻も早い核廃絶と世界の恒久平和を希求します。そして、平和首長会議会長のもと、他加盟都市と共に、世界各国の都市と力を合わせ、この地球上に再び被爆の惨禍を繰り返させてはならないことを全世界に強く訴え続けます。 Let's act for peace

②江田島市 田中 達美市長

 平成27年は、被爆・戦後70年の節目の年を迎えます。あの日、投下された原子爆弾により、多くの方々が犠牲となり、今もなお原爆による後遺症に苦しんでおられます。し かし、いまだ世界の多くの地域で紛争が発生し、大量の核兵器が存在し続けています。

 私たちは、この多くの尊い犠牲を忘れず、再び悲劇を繰り返さないよう、次の世代に語り継いでいかなければなりません。

 江田島市は、これからも核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けて、市民の皆さまとともに訴え続けてまいります。

③大竹市 入山 欣郎市長

 昭和20年8月6日、8時15分。人類史上初めての惨劇から70年がすぎようとしています。大竹市では、国民義勇隊や学徒動員で広島に赴いていた数多くの市民が、原爆の犠牲となりました。原爆の悲惨さを身をもって体験した私たちは,核兵器による惨劇が二度と起こらないよう、懸命に取り組んでいく責務があります。広島から日本中そして世界中に向けて平和へのメッセージを発信し、核兵器の廃絶と世界の恒久平和が一日も早く実現することを心から願います。

④尾道市 平谷 祐宏市長

 原子爆弾により30数万人の尊い命が奪われた惨禍から70年を迎えます。被爆された方々は高齢化し、それとともに被爆の体験や惨状についてお聞きする機会も少なくなってきています。しかしそれは決して過去の出来事ではなく、被爆された方々は今なお精神的にも肉体的にも大きな不安を抱え続けておられます。

 私たちは、ヒロシマ・ナガサキを過去のものとしないために、この悲惨な出来事を風化させることなく伝えていかなければなりません。

 戦争は人が人の命を奪い合うものです。国境や世代を超えて、すべての核兵器と戦争のない平和で豊かな社会が世界中に訪れることを願い、被爆地ヒロシマの心を、尾道市から訴え続けてまいります。

⑤呉市 小村 和年市長

 原爆投下という惨禍から70年が経過しようとしています。

 しかし、この惨劇の教訓を得ながらも、いまだ世界には核兵器が存在し、絶え間なく戦火があがり、人類に悲しみと憎しみをもたらしています。

 現代を生きるわれわれには、時間の経過とともに失われつつある戦争や原爆の深い痛みを、後世へと語り継ぐ責任があります。

 被爆70年を迎え、いま一度、原爆、戦争、平和について考え,互いに手を取り合い、戦争による憎しみと悲しみの連鎖を断ち切って、恒久平和達成をめざします。

⑥庄原市 木山 耕三市長

 罪のない多くの方々の命を奪った原子爆弾投下から、70年が経過しようとしています。 しかしながら、原子爆弾による後遺症は、今なおたくさんの人々を苦しめています。あのような惨禍を二度と繰り返してはいけません。誰もが幸せに暮らすことのできる社会を実現するために、戦争の悲惨さを訴え続けていくことが重要です。

 平和を願う気持ちは必ず実現するものと信じ、核兵器のない平和な世界の実現へ向けて、引き続き取り組んでまいります。

⑦竹原市 吉田 基市長

 ヒロシマ・ナガサキに原子爆弾が投下され、多くの尊い命が失われ、以来70年が経過しようとしてします。このような惨禍が二度と繰り返されることのないよう、戦争の悲惨さと核兵器の残酷さを全世界に訴え、その廃絶を求め世界平和の実現に寄与することは、緊急かつ重大な課題であり、唯一の被爆国である私たちの使命であると考えております。

 今後も平和首長会議等と連携し、恒久平和の確立に向けて、市民とともに努力を重ねてまいります。

⑧廿日市市 眞野 勝弘市長

 多くの尊い命を奪った原爆投下から70年を迎えます。原爆の犠牲となられた方々のご無念に思いをはせますと、同じ過ちを繰り返してはならないと、決意を新たにしています。

 今や被爆者の平均年齢は80歳に迫り、生存者は20万人を切っています。唯一の被爆国である日本が、生き証人の声をもとに核廃絶を訴えることができる時間も徐々に少なくなってきていますが、広島や長崎の悲劇を風化させることなく、平和の尊さを次世代に伝え、これからも核兵器のない、平和な世界を目指した取り組みを続けていきます。

⑨東広島市 蔵田 義雄市長

 広島・長崎に原爆が投下され、一瞬にして多くの尊い命が失われて、70年がたとうとしていますが、今なお、多くの方が原爆の被害に苦しんでおられます。

 東広島市は、昭和60年に「平和・非核兵器都市宣言」を行い、30周年を迎えます。市民による平和学習バスの運行や被爆資料の常設展の実施など、市民レベルの平和活動が活発に行われており、市と市民が一体となって平和への取り組みを進めております。

 唯一の被爆国である日本から世界に平和へのメッセージが広がるよう、今後も市民とともに努力してまいります。 

⑩福山市 羽田 皓市長

 人類史上、初めてヒロシマ・ナガサキに原子爆弾が投下されたあの夏から、70年がすぎようとしています。

 戦争や被爆を体験された方々が高齢化する中、「今」を生きる私たちが声をあげていかなくては、あの70年前の悲劇は風化し、繰り返されてしまうことになります。

 私たちは、被爆国の一員として、戦争の愚かさと平和の大切さ、核兵器の非人道性を次世代へと継承し、核兵器廃絶と恒久平和社会の実現に向けて取り組んでいくことが極めて重要であります。

 本市は、1984年12月に、平和を希求する市民の願いの高まりの中で,「平和非核都市福山宣言」を行っており、今後とも、この宣言の趣旨を市民の皆さま方と共有しながら、核兵器のない平和な社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。

⑪府中市 戸成 義則市長

 多くの尊い命を奪った原子爆弾が、広島・長崎に投下されてから、70年が経過しようとしています。しかし、今もなお世界各地において、内戦や紛争による惨禍が繰り返され、人類の存亡にかかわる核兵器の存在は、私たちにとって深刻な脅威となっています。

 府中市は、昭和59年12月24日に市議会において、非核平和都市宣言を採択し、人類共通の願いである核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に向けた取り組みを行うことを決意しました。

 世界で唯一の被爆国として戦争の悲惨さと命の尊さを世界の人々に訴え、後世に伝えることは私たちに課せられた使命です。未来を担う子どもたちのために、核兵器のない安心して暮らせる平和な世界を築くよう努力してまいります。

  ⑫三原市 天満 祥典市長

 被爆県の都市として、70年前の悲しい現実を厳しく受け止め、今の日本の平和で豊かな日々は、多くの先人の尊い犠牲と苦しみの上にあることを再認識し、原爆の悲惨さを強く世界に訴え次の世代に継承するとともに、あらゆる国の核兵器の廃絶と恒久平和を希求していくことが、私たちの使命であると考えます。

 「非核・平和都市宣言」を決議し、「平和首長会議」に加盟している三原市として、これからも、継続して平和行政に取り組んでまいります。

⑬三次市 増田 和俊市長

 「核兵器が70年前、ヒロシマ・ナガサキにどんな惨禍をもたらしたのか」。いま一度、原点をしっかり見つめなければなりません。私たち市民一人一人が、「子どもたちの未来を絶対守る」という強い意志と行動力を持つことで、核兵器のない平和な世界を実現できるものとあらためて認識しているところです。

 ヒロシマに生まれた者として、これからの未来を担う者として、地球という命を護(まも)り、世界の恒久平和と核兵器廃絶のために、ともに力を尽くしてまいります。

⑭広島県安芸太田町 小坂 眞治町長

 被爆70年、70年前の悲劇を想像してみてください。原爆投下の惨状、後遺症に苦しむ被爆者を想像し、共感するなら、核兵器の存在は許せません。

 幼いとき被爆された方も70歳を超えておられます。戦争の悲惨さ、原爆の惨状を風化させることなく語り継がなくてはなりません。地元の小学生が山百合を採り原爆病院に被爆者の見舞いを続けています。

 広島においでいただき、長崎を訪ねられ、70年前の惨状を体感してください。そして次の方に、ヒロシマ・ナガサキをぜひとも訪ねられるよう案内してください。

⑮広島県大崎上島町 高田 幸典町長

 平成27年は、広島・長崎に原子爆弾が投下されて70年を迎えます。大崎上島町は、世界で唯一の被爆国であり、被爆地広島市と同じ広島県に位置する町として、戦争の悲惨さや命の尊さ、平和の大切さを次の世代に語り継ぎ、すべての地域と住民が連携し、核兵器のない世界が実現し、真の永久平和が訪れることを心から願うとともに、これからもメッセージを強く発信し続けてまいります。

⑯広島県海田町 山岡 寛次町長

 核兵器廃絶と世界平和は、人類共通の願いでございます。

 海田町は、平成3年に非核宣言を決議し、諸外国の核実験に対しても抗議文を送付するなど、核兵器廃絶に向け地道な取り組みを行っているところでございます。

戦後70年を迎えようとしておりますが、今なお核兵器や戦争の傷に苦しんでいる人々がいます。戦争の残酷な記憶を風化させず 安全で住みよい郷土を守り続ける決意を新たにし、恒久平和に向け努力する所存でございます。

⑰広島県北広島町 箕野 博司町長

 原子爆弾が投下されて70年。

 緑を取り戻し、生命の躍動を取り戻している今もなお、苦しみ続けている被爆者がいます。

 地球上では、いまだに武力紛争を行っている地域があります。

 戦争により、どれほどの破壊が繰り返され、世界中でどれほど多くの犠牲者が出ているかをわれわれはもう一度知らなければなりません。

 過去の惨禍に学び、平和な世界であるためのさらなる努力と決意を新たにする時です。

⑱広島県熊野町 三村 裕史町長

 私は被爆、原爆に関する書籍を、年1冊は読むよう心掛けています。

 広島県に生まれ、育った人間としては、被爆について考え、あるいは後世に伝えていくことは、県民としての責務であると考えるからです。

 核兵器は絶対悪であり根絶されなければなりません。

 原爆投下から、70年が経過しようとしていますが、いまだなお被爆に苦しむ方々がいます。

 平和首長会議の一員として核兵器廃絶に向けた取り組み、また、被爆被害の伝承支援を行って参ります。

⑲広島県坂町 吉田 隆行町長

 人類史上初めて原子爆弾が投下され、一瞬のうちに多くの尊い命が奪われた、決して忘れることのできない日から、70年を迎えようとしています。

 今もなお続く被爆者の苦しみと原爆の惨禍を知る私たち皆が、核兵器の放棄・廃絶と世界恒久平和の実現に向け、一生懸命努力を続けましょう。

⑳広島県神石高原町 牧野 雄光町長

 被爆・戦後70年の節目の年を迎えるにあたり、広島・長崎の被爆者の方々をはじめ、戦争により尊い命をなくされた方々に対し、心から哀悼の意を表します。

 神石高原町は、引き続き町民とともに平和活動を推進し、世界の恒久平和を願い、子どもたちに核と戦争のない平和な未来を継承していく決意を新たにしています。

㉑広島県世羅町 奥田 正和町長

 世界で唯一の被爆国であり、被爆県ヒロシマの自治体として、核兵器廃絶に向け世界との連携・連帯を強めてまいります。今なお、世界では紛争やテロにより多くの人々が犠牲になっています。本町は、合併時に「非核自治体宣言」を行い、世界の恒久平和実現と核による脅威からの解放に向けた取り組みを進めておりますが、被爆70年にあたり平和首長会議に加盟される皆さまとともに、平和な世界をつくるため一層努力してまいります。

㉒広島県府中町 和多利 義之町長

 今年は原爆投下から70年の節目の年です。

 広島市に隣接する府中町は、原爆によって多くの犠牲を強いられたまちです。当時、市内から逃げて来られた多くの被爆者は、町民の手厚い看護のかいなく亡くなられ、亡きがらは河川の土手に穴を掘って火葬しました。その情景は、今でも忘れることのできない悲惨なものでした。

 以来、70年平和な時代が続きましたが、二度と地球上で核兵器を使用してはなりません。府中町としても町内で毎年平和祈念式典を催し、忘却しないよう努力をしています。

紙面 広島県ワイド