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ヒロシマ用語集

原爆の被害

 原爆の特徴は大量の熱線、爆風、放射線です。広島の爆心地の地表温度は3千~4千度になり、熱線と爆風で広島は半径2キロ以内のほぼすべてが焼け落ちました。

 人々は全身にやけどを負いました。放射線を浴び、下痢や脱毛などの症状を起こして突然亡くなる人も多くいました。約35万人の市民や軍人らがいた広島市では1945年の末までに14万人(プラスマイナス1万人)が犠牲になったと公式に推定されています。翌年以降、やけどや白血病などで亡くなる人は少なくありませんでした。

 人道に反する原爆では10代前半の死者も目立ちました。空襲の火災で延焼しないよう、家を壊して空き地を造る「建物疎開」や軍需工場などに、中学や高等女学校の生徒が動員されたからです。

 人口が24万人だった長崎市は被爆5年後の調査で、45年末までに7万3884人が原爆で亡くなったとされ、その数字が使われてきました。

 被爆の影響は戦後も続きました。広島と長崎では何十年も後になってから被爆者が白内障やがんを患う可能性が、やや高いことも分かっています。ただ、浴びた放射線がわずかの場合、どうなるかは解明されていません。不安を長い間、抱える人もいます。

 原爆と直接の比較は難しいのですが、2011年に起きた福島第1原発事故も広い範囲で放射線の被害をもたらしました。