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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 「応答装置」の体験会AI活用の被爆証言 「本当の対話のよう」

 広島市が完成させた「被爆証言応答装置」の体験会が開かれました。人工知能(AI)の技術を使い、スクリーンに映し出された被爆者に質問をすると、答えてくれます。私も参加し、質問をしてみました。

 被爆から80年が過ぎて被爆者の高齢化が進む中、将来も確実に被爆体験を後世に伝えるため開発しました。応答してくれる被爆体験証言者は5人。200問に答える様子を動画で撮影しており、質問をすると内容に合った回答が再生されます。昨年、中国新聞ジュニアライターは質問づくりに協力しました。

 証言者の一人、切明千枝子さん(95)は「私の映像や声がずっと継承されることは本当にありがたい」と語っていました。応答装置では「平和とは何ですか」という質問に「戦争さえなければ平和ということではありません」と答えていました。

 被爆者の姿は高画質で、声も高音質です。本当に対話しているような没入感があります。崇徳高新聞部部長の宮本桜さん(17)は「スムーズな答えに驚いた。英語で話す被爆者もいるため、外国人も利用できて素晴らしい」と話していました。  市内の学校で体験会を開き、原爆資料館にも設置する予定だそうです。被爆の記憶を未来へつなぐ新しい取り組みを通じて、多くの人に平和の大切さを感じてほしいです。(高1矢沢輝一)

(2025年11月11日朝刊掲載)

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