ローマ法王平和アピール碑

 ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の広島訪問2周年を記念して制作され、2周年になる1983年2月25日に除幕された。イタリア産の大理石を使った高さ3㍍、幅1・8メートル、奥行き0・9メートル、重さ6トンの抽象彫刻で、世界の安定と調和、共存を表している。広島で核兵器廃絶を訴え、国際的に大きな反響を呼んだ「平和アピール」から選ばれた一節が、和英両文で刻まれている。広島平和記念館の場所に建てられた、原爆資料館東館(広島市中区)1階ロビーにある。

 除幕式は、平和記念館1階ロビーであり、碑の建設を提唱した被爆者の藤枝良枝さん(64)=中区基町=が除幕した後、バチカン駐日大使マリオ・ガスパリ大司教が法王のメッセージを読み上げた。

 藤枝さんは、法王の広島訪問の際、千羽鶴のレイを贈った。「平和の巡礼者法王の足跡をヒロシマに」と建設を呼び掛け、市民団体が建立委員会を結成。建設資金を市民から募り、イタリアで活躍する広島県世羅町出身の彫刻家、杭谷一東さんが無料奉仕で制作した。