平和大橋・西平和大橋

平和記念公園(広島市中区)を挟んで流れる元安川と本川。その二つの川に架かる平和大橋と西平和大橋は、1952年6月に完成した。欄干は米国の彫刻家イサム・ノグチ氏のデザインだ。

中でも目立つのは、欄干の先の形状である。平和大橋の丸は「太陽」、西平和大橋の角は「船の竜骨」。日の出と日の入りをイメージし、生まれ変わる広島を表現した。

あれから半世紀。コンクリートの傷みも目立つ。広島市が進める平和大通りのリニューアル事業では、この2本を含めた計3本の橋の架け替えも検討される。デザインをどう保存するかが、論点になっている。

中区の会社員吉岡美津子さん(59)は毎朝夕、歩いて二つの橋を渡る。「『おはよう』の丸と『お帰り』の四角。橋の上から川面を眺めると、心が洗われるんです」。二つの橋は人の暮らしを支え続ける。

(2002年7月30日夕刊掲載)