平和大通り

空に舞い上がると、濃い緑の帯が市街地を縫う大きな川のように見える。広島市中区の鶴見橋から西区の新己斐橋までの4キロ区間。平和大通りは、市内に廃虚が残る1946年から、戦災復興都市計画で整備され始め、約20年の月日をかけて完成した。

市は、大通りのリニューアル事業を推進中。「世紀の節目に新しい憩いと交流の場をつくろう」。市のモデル案には、車道の拡張や広場の設置など、広島のシンボルの拡充策が盛り込まれている。市民へのアンケートや意見を参考に、年内に基本計画が示される予定だ。

市民グループ「平和大通りを考える会」のメンバーで会社員の藤田真衣さん(27)は「他の都市にはない魅力的な空間。市民がより楽しめる場に変え、暮らしの中の平和を実感したい」と期待する。

復興から、新世紀の平和のシンボルへ。平和大通りには、市民のいろんんな夢が託されている。

(2002年8月2日夕刊掲載)