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ヒロシマ・ナガサキ ZERO PROJECT

「熱線の怖さ」 映像アート NYの路面 日米学生ら

 ニューヨークで開催中のNPT再検討会議に合わせ、日米の学生らが1日、ニューヨーク中心部の公園ユニオンスクエアや国連本部前で、平和を願う映像を路面に投影するイベントを開いた。 (ニューヨーク発 山本慶一朗)

 映像は現在の広島市の風景に、若者らの「影」を重ね合わせて制作。原爆の熱線で、周囲に影だけを残して亡くなった人々を再現し、核兵器の恐ろしさを訴えた。足を止めて映像に見入るニューヨーカーもいた。

 芸術を通じて核兵器のない世界を目指す団体「ピカドンプロジェクト」が企画し、長崎大や米国の学生たち十数人が参加。ニューヨーク在住で団体メンバーの映像作家、西前拓さんは「もし自分の大切な家族が影にされてしまったらと考えてほしい。歴史を教訓にして、過ちを繰り返さないよう訴えたい」と話した。

 被爆の惨状を世界に伝えたルポ「ヒロシマ」(1946年)の著者、故ジョン・ハーシー氏の孫で、アーティストのキャノン・ハーシーさんも訪れ「(核兵器の脅威に)無関心でいるのを今すぐやめるべきだ」と話した。

(2015年5月3日朝刊掲載)