中国新聞

被災者情報Q&A

'99/7/4 朝刊

 今回の豪雨災害では、たくさんの人が家を失ったり、壊されたり して、不便な生活を強いられた。天気が回復し、生活再建に乗り出 した今も、将来への不安を抱える人が少なくない。避難所などで被 災者が口にしていた五つの疑問や要望を、質問と解答(Q&A) 方式で紹介する。


Q1 自宅や道路に流れ込んだ土砂やがれきはだれが処理するのですか?
  広島県砂防課によると「土砂が流れ込んだ場所の管理者が 処理するのが原則」だそうです。県道や県の公共施設なら県が、市 道なら市です。民家ならやはり、住人が片付けます。現場では、後 は行政に処理してもらおうと、敷地から道路まで手作業で土砂を運 び出す家庭も多いようです。被災地を巡ると、家が全壊したショッ クのあまり、「何もする気がしない」とぼうぜんとしている被災者 や、高齢世帯で人手がなく、なかなか片付かない家庭もあります。 住民同士の助け合いや、行政との連携が必要になるでしょう。

Q2  家が壊れて避難所にいます。いつから公営住宅に移れますか?
  受け付けは既に始まっており、広島県住宅課は「早めに希 望を出してください」と呼び掛けています。同課もしくは近くの土 木建築事務所に電話で相談してください。条件として、家屋が「居 住に耐えられない」一部損壊以上の被害が認定されなけばなりませ ん。ちなみに「玄関の扉が壊れて使えない」という希望者は断られ ました。審査を通れば、カギを渡されます。基本的にその日から入 居できます。使用期間は一年間。半年は家賃無料です。三日現在、 広島市内で六十四の公営住宅が空いています。

Q3  壊れた住宅の再建に特別の融資制度はないのですか?
  広島県住宅課によると、住宅金融公庫に「災害復興住宅資 金貸付」制度があるそうです。災害救助法が適用された広島市と呉 市の被災住宅が対象です。元の土地に家を再建する場合、最高千百 六十万円。別の場所の新築住宅を購入する場合は千九百三十万円ま で借りられます。補修は最高六百四十万円。利率は、一・六%と通 常の二・五%より優遇されています。問い合わせは、同公庫中国支 店、電話082(221)8716へ。同制度の対象者は、広島県 から新築で最高五百万円(利率三%)を別枠で借りれます。

Q4 砂防ダムにたまった土砂は危険。いつになったら撤去してくれますか?
  広島県の土木建築事務所では、現在、職員が各砂防ダムを 調査しています。しかし、「人は入れても、道が悪くて、ショベル カーなど重機を運び込めない」のが現状だそうです。実際、下流域 の道路や民家周辺には、土砂やがれき、倒木などがあふれていま す。こちらの復旧作業を優先しなければならず、ダムに届くめどは 立っていません。上流域の住民には「いつになったら来てくれる の」という不安もあるようです。県は「下流の土砂を取り除けば、 上流の土砂も自然に流れやすくなる」と説明しています。

Q5  不安や分からない事がたくさん。相談窓口はどこにありますか?
  広島県は、二日から被災者相談窓口を開いています。場所 は、県庁南館三階の生活文化室です。時間は午前八時半から午後八 時半まで。電話082(227)5043での相談もOKで す。住宅対策や見舞金受給など幅広く疑問に答えます。県税の相 談は、県税務課、電話082(228)2111(県庁代表)か各県税事務所 へ。家や車が被災した人には、不動産取得税や自動車税の減免の制 度があるそうです。一方、広島市は、災害見舞金など各種救済制度 をまとめた「お知らせ」(A4判、二枚)を配付しています。


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