雨の中、男性の遺体見つかる　広島市佐伯区

'99/7/2　夕刊

　集中豪雨による土石流で、行方がわからなくなっていた広島市佐 伯区五日市町上小深川の捜索現場で二日午前十一時前、土砂の中か ら男性の遺体が見つかった。近くの下小深川の無職丹田千里さん (86)が行方不明になっており、広島県警は丹田さんとみて確認を急 いでいる。豪雨災害による中国地方の死者数は二十八人、広島県内 は二十五人となり、同県内では依然、六人が行方不明のまま。二日 未明から降り始めた雨の中、捜索が続いた。

　雨で二次災害の恐れが出てきたため、二日未明から朝までに、新 たに広島市と廿日市市で計十一地区、百五十三世帯の住民に避難勧 告が出た。呉市でも消防署が注意を呼び掛けているほか、東広島市 などで自主的な避難も始まった。

　広島県警は山口、鳥取両県警の広域緊急援助隊の応援も得て計五 百人を動員。広島市では、安佐北区安佐町飯室など市内五カ所で、 消防署員や自衛隊員ら計三百三十人も、行方不明者の捜索を続け た。不明者は広島湾まで流されている可能性もあるため、第六管区 海上保安本部（広島）のヘリコプターや広島海上保安部の巡視艇も 捜索に加わっている。

　二日未明から午前七時半までに新たに避難勧告が出たのは、がけ 崩れなど二次災害の恐れが出てきた広島市安佐南区伴東一丁目や安 佐北区安佐町鈴張、廿日市市上平良地区など。身の回り品を持った 住民は雨の中、不安そうな表情で近くの集会所などに移った。

　広島県は同日朝、県内八十六の全市町村に、再び降り出した雨に 十分な対策を取るよう求めた。

【写真説明】集中豪雨の災害現場で、行方不明者の捜索を続ける消防署員ら（２日午前９時４０分、広島市佐伯区五日市町屋代３丁目）

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