青空の下、懸命に復旧作業/広島市の被災地

'99/7/4 朝刊

 広島、呉両市など中国地方で三十人の死者を出した豪雨をもたら せた梅雨前線は三日南下し、各地で青空が広がった。被災地には、 住民たちが避難先から次々に戻った。会社の同僚やボランティアも 駆け付け、土砂を取り除く復旧作業をあちこちで展開。街は生活再 建へ向け、動き出した。

 大量の土砂に飲み込まれた広島市佐伯区屋代三丁目の住宅地で は、住民たちが泥まみれになった洗濯機など家財道具を庭先に運び 出し、水で洗ったり、家の中に堆積した泥をスコップで外にかき出 したりした。土曜日とあって会社の同僚や親戚も集まり、被災者も 明るい表情。励ましあいながらの作業が続いた。

 避難勧告を受け、小学校などで眠れぬ夜を過ごした広島、呉の両 市民合わせて約四千四百人のうち、三千七百人余りは午後八時まで に避難所を出て帰宅するなどした。家屋が全壊した人たちのために 用意された公営住宅への入居も六十四世帯が手続きを済ませた。

 広島地方気象台によると、中国地方では三日午後三時半、広島県 内の大雨注意報解除に伴い、すべての警報・注意報が消えた。晴れ 間がのぞく天気は六日ごろまで続く、という。

【写真説明】青空の下、復旧作業は急ピッチ。土色に染まった街角に、再建への活気があふれた(3日午後2時、広島市佐伯区屋代3丁目)


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