豪雨被災地の復旧作業急ピッチで続く

'99/7/9 夕刊

 豪雨災害に見舞われた広島市内の被災地では、土砂や流木、倒壊 した家屋の搬出などの復旧作業が、連日朝から急ピッチで続いてい る。

 曇り気味ながら晴れ間ののぞいた九日、安佐南区内の建設会社約 八十社でつくる同区建設安全協議会(青木悟朗会長)の災害対策本 部は、午前七時半から約百六十人を動員。トラックや重機などを使 って、約五十カ所の災害現場で、道路上や側溝にたまった土砂や流 木を運び出した。

 被害の大きかった奥畑川流域には約三十人が動員された。上流部 は土石が積もり、道路は不通のまま。棚田が無残な姿をさらす八ツ 目橋付近では、作業員たちが川岸にたまった杉やヒノキを引き上 げ、チェーンソーで一本一本切断しながらトラックへ積み込んでい た。

 作業に当たった田村実夫さん(67)は「どこも大変な状態。作業員 はみんな一生懸命やっとるが、まだまだ復旧には時間がかかる」 と、額の汗をぬぐった。近くに住む農業奥田和江さん(59)は「少し ずつでも復旧が進みありがたい。土砂を取ってもろうて、人が通れ るようになっただけでも本当に助かります」と話していた。

 広島地方気象台によると四日から晴れの日が続いており、今後数 日間、天候の大きな崩れはない見込み。

【写真説明】奥畑川の川岸で流木を撤去する安佐南区建設安全協議会の作業員たち(9日午前10時、広島市安佐南区伴)


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